※こちらは旧ブログから抜粋した転載記事です。(2011/03/06公開)
「ご希望の方、差上げます。」
* * *
10年前の夏、社長が我が家にやってきました。
初めての出逢いは近所のペットショップのガラス越しでした。
ちっちゃいワンコやちっちゃいニャンコが盛り沢山のショーケースの中、「チンチラ 男の子 ●●万円」「チワワ 女の子 ●●万円」等と書かれた張り紙のうち、社長の張り紙だけこう書いてありました。
「ご希望の方、差上げます。」
当時、母国ではない日本で仕事や人間関係で悩んでいたパパァ。
精神的に結構辛い時期でした。
もともと動物好きだったのでペットショップはそんなパパァの憩いの場所でもありよく散歩代わりに覗きに行ったものでした。
ガラス越しにこちらをまっすぐ見つめてくる社長にパパァは一目ぼれ。
でも、通常10数万円はするアメショがなぜ?
小さく書き添えられた社長のプロフィールに生後4カ月との表示をみて、あぁ、売れ残ったまま育ち過ぎたのね、と勝手に納得して店員さんに引き取りたい旨申し出ました。
パパァはもう手放す気まったくありませんでしたし、気がついたらわたしも(笑)
ご飯のメーカー指定と与え方を教えられ、トイレの躾は済んでること、血統書は後から送付しますとの説明を受けてケージ代わりの小さな段ボールに入れられた社長を受け取りました。
予防接種やら健康診断のこともあったのでかかりつけかお勧めの獣医さんを紹介してほしいと頼みましたが、なぜだかすっきり教えてもらえませんでした。
後日、予防接種に行った病院で検査してもらったところ顎の骨が若干ズレていて咬み合わせが悪いのと股関節がこちらもほんの少し歪んでるとの診断。
例えばキャットショーなどでは評価が低くなるけれど生活していく上では全く支障が無いとのことでした。
例えばキャットショーなどでは評価が低くなるけれど生活していく上では全く支障が無いとのことでした。
純血種を飼うのは初めてでしたがアメショではなく社長と暮していくつもりだったので健康のお墨付きを貰っただけで十分安心できました。
実は社長のしっぽ、今より2,3㎝ほど長かったんです。
社長が4歳の時でした。
買い物から帰宅するとベランダのガラス戸が細く開き、部屋の中が荒らされ、ガラス戸周辺に小さく血痕が飛び散っていました。
何が起きたのかわからず頭の中が真っ白になりながら社長を探しました。
台所の奥の冷蔵庫の陰に怯えた社長が隠れていました。
うっかり鍵を閉め忘れたベランダから、同じ階のベランダに放されていたよそのお宅の大柄な猫が無理やりガラス戸を開けて侵入し社長を襲っていったのです。
重たいガラス戸を社長が開けたこともなく油断していました。
折悪くかかりつけの先生が連休中で急いでネットで近くの獣医を探し社長を連れて行きました。
幸い大きな怪我にはいたりませんでしたが、感染症が心配だったのと…。
ずっと完全室内飼いで去勢していなかったのですが、万が一を考えて去勢もお願いするつもりでした。
この時の治療については…また、長くなるので別の機会に書くことにします。
検査の結果、感染症にはかかっていませんでしたが…。
今まで殆ど他の猫と接触もなく、いきなり降りかかった恐ろしい体験からもの凄いストレスを抱えてしまったのです。
物音に怯え、どんな些細なことにも神経質に反応し、自分を落ち着かせるためにしっぽの先を咬んで、舐めて。
毛が抜け、むき出しになった地肌はびらんをおこし、壊疽をおこし。
最後には壊疽をおこした部分がミイラ化してもげ落ちてしまいました。
傷が治った頃、社長もやっと落ち着いて。
けれど、以前の天真爛漫さには小さな影が落ちました。
決していい飼い主ではなく、反省と後悔の繰り返しです。
本当にうちに来て幸せだったの?と問いかける繰り返し。
ただ出来ることは、最後まで一緒に居てあげることだけ。
先日、とあるブログでアメショの仔猫が20数匹山中に遺棄されていたとのニュースが記されていました。
ブームに陰りがでたことで流通の途中で売れ残ったのを処分したと云った内容でした。
通常の個体としては何も問題無いのに利益が上がらないからとの理由で。
憤りとともに、社長を引き取った時のことを思い出しました。
先日、とあるブログでアメショの仔猫が20数匹山中に遺棄されていたとのニュースが記されていました。
ブームに陰りがでたことで流通の途中で売れ残ったのを処分したと云った内容でした。
通常の個体としては何も問題無いのに利益が上がらないからとの理由で。
憤りとともに、社長を引き取った時のことを思い出しました。
わたしたちには何の問題にも感じなかったことが商品とした場合欠陥品扱いになっていたのでしょうか?
記事の中には最悪殺処分にされる例も少なくないとの記述がありました。
甘えて、拗ねて、もりもりご飯を食べて、そばで丸くなってくれて。
そんな小さな命でいてくれるだけでは駄目なんですか?
あの時差上げます。の張り紙があっただけ社長は幸運だったのでしょうか。。。。
とても胸が痛みます。
先日、犬の放し飼いについて話題にしましたが。
地域猫のボランティアさんたちが頭を悩ませている放し飼いの猫。
野良猫・捨て猫を避妊手術してリリースし地域猫として受け入れてもらう努力。
けれど首輪もなしの実質放し飼いの猫の存在がその作業を難しくしているそうです。
飼い猫をうかつに避妊手術させるわけにもいかず…
(野良猫の捕獲時にはその旨告知して住民に協力を願うそうですが、中には只で手術してもらえると意図的に放し飼いにしてるとんでもない飼い主もいるとか)
先日、犬の放し飼いについて話題にしましたが。
地域猫のボランティアさんたちが頭を悩ませている放し飼いの猫。
野良猫・捨て猫を避妊手術してリリースし地域猫として受け入れてもらう努力。
けれど首輪もなしの実質放し飼いの猫の存在がその作業を難しくしているそうです。
飼い猫をうかつに避妊手術させるわけにもいかず…
(野良猫の捕獲時にはその旨告知して住民に協力を願うそうですが、中には只で手術してもらえると意図的に放し飼いにしてるとんでもない飼い主もいるとか)
おそらくは犬よりも放し飼い率が高い猫。
そして、ある意味犬よりも行動可能範囲が広い猫(高い低い狭いはノープロブレム)。
中途半端に制御できないぶん、出入り自由にするか、完全に室内だけにするか大きくわかれるところだと思います。
地域によってはおおらかに受け入れてくれるところもあるでしょう。
わたしも一概に猫の放し飼いを否定できません。
街かどでのんびり日向ぼっこをしている猫をみれば気持ちがほっこりしますもん。
むしろ、猫一匹みかけない街ってどうなんだろうとも思うし。
けれど、でも。
むやみに放し飼いにする前に猫の行動についてよく知って下さい。
オシッコ…かなり臭いです。
爪とぎ、柱や壁の傷困りますよね。
盛りの鳴き声、夜にこれは眠れません。
もともと猫って警戒心の強い動物なので、先のような無防備になる行動は見知らぬ人間のそばではすることは少ないと思います。
けれど、密集した住宅街であったり集合住宅であったりしたら隠れてする場所もなくどうしても人間の居住エリアで、となってしまうでしょう。
わたしたち猫の飼い主の多くはこれらを受け入れられますが、全てのヒトがそうではありません。
アレルギーを持つ人もいます。
小さな赤ん坊のいるお宅もあります。
猫に恐怖心をもつ人もいます。
社長のように猫社会を知らない猫がいる家も。
お願いがあります。
猫が他のお宅に侵入してしまう、集合住宅で行動範囲に窓やドアしかない、そういう環境での放し飼いは避けてください。
ベランダから侵入した猫は、5階ということもあって横移動で他に行きようもないからとベランダに放し飼いにしていたようです。
部屋に閉じ込めていては可愛そうといった思いが、別の家の猫にケガをさせる結果になったのです。
これがもしも人間の赤ちゃんだったら、もっと大事になってたはず。
そして…自由奔放にふるまう猫に腹を立てた人間に…後悔しても遅い結果が起らないとも限らないのです。
本当は猫も犬ものんびりヒトの傍らで自由に暮らせる…そんな環境だといいのにと思います。
わたしが子供の頃、昭和40年代はもっとおおらかにいたように思います。
けれど、ヒトだけでもいっぱい、現実には難しい時代です。
コメント